特別保存刀剣『伝(青江長次)』
刀剣種別 『刀・katana』
銘 『無銘(伝)青江長次』
『Aoe NAGATSUGU』
日本刀 鑑定書『日本美術刀剣保存協会 特別保存 刀剣』 NBTHK 『Tokubetsu Hozon Paper』
時代『正和(鎌倉末期)』 Production age 『1312-1317』
十一世紀初頭の往来もの「新猿楽記」は、諸国の名物を列記する中に「備中の刀」を挙げている。これより二世紀の後、その評価を受け継ぐ青江派の刀工が登場し、高梁川下流域を中心に繁栄した。彼らのうち鎌倉時代中頃までのものを古青江、それ以降南北朝期にかけてのものを青江と汎称し大別している。その作風は、古青江には小沸出来で匂い口のやや沈んだ直刃仕立てに小乱れを交えたものが多く、鎌倉時代後期になると沸ずきが穏やかとなり、さらに南北朝のものは、匂い口が締まり、明るく冴えた出来口を見せる様になる。 青江長次は、同銘が鎌倉末期正和年紀のものと、次代以降に南北朝期文和年紀のもの、室町初期応永年紀のものがある。
この刀は身幅尋常で元先に幅差が目立ち、小鋒となり、踏ん張りがついて輪反りよりは腰反りに寄った反りの深い優美な太刀姿がよく、南北朝期の豪壮な体配とは違い鎌倉時末期代乃至南北朝時代初期頃の特色が顕現されており、正和長次の極めは首肯される。刃中の景色にも変化があり、匂口が明るく冴え、加えて平肉が豊かな太刀姿も好ましい。制作年代はおおむね、鎌倉時代末期の正和頃と推測される。
『形状』鎬造、庵棟、身幅尋常・反り深くつき、小峰。
『鍛』板目肌やや肌立ち、地沸よくつき、地景細かに入る。
『刃文』逆丁字乱れに重花丁字風の刃などを交じえ、足・葉入りて、焼き鎬まで高く華やかとなる。
『帽子』直ぐに小丸先少し掃掛け、短く返る。
『茎』大磨上、先切り、鑢目切り、目釘穴五、無銘。
『彫』表二筋樋に梵字と素剣を掻き流す、裏表二筋樋に梵字と腰樋を掻き流す。
『附』白鞘『寸法(Size)』
長さ(Blade length)68.3cm、反り(Sori)2.8cm、元幅(Width of moto)2.9cm、先幅(Width of saki)1.7cm、元重(Thickness of moto)0.82cm 先重(Thickness of saki)0.43cm
価格 ¥2,900,000- (税込価格 -Tax-included price- ¥3,190,000)