特別保存刀剣『備前介藤原宗次 明治元年九月日』
刀剣種別 『刀・katana』
銘 『備前介藤原宗次 明治元年九月日』
『Bizen no suke fujiwara MUNETSUGU, Meiji 1 nen 9 gatsu hi』
日本刀 鑑定書『日本美術刀剣保存協会 特別保存 刀剣』 NBTHK 『Tokubetsu Hozon Paper』
時代『明治元年』 Production age 『1868』
刀剣 位列『新々刀上々作』
固山宗次は新々刀備前伝の名手であり、稀代の名工「清麿」と並び備前伝刀工中の第一人者である。享和三年奥州白河に生まれ、俗名を宗兵衛(惣兵衛)といい、一専斎・精良斎と号し、兄に宗平・宗俊がいる。彼の師は加藤綱英と伝えられているが、その作風から勘案すれば、むしろ弟の加藤綱俊の影響力が大きいと思われる。初めは白河松平家の抱え工であったが、藩が加州桑名へ移封後は、江戸に住して桑名藩工として作刀した。その居住地は麻布永坂という。弘化二年に備前介を受領している。彼の作刀期間は文政の後半から明治初年の頃までにわたっており、その作風は一貫して備前伝であり、地鉄の良く詰んだ綺麗な鍛に、匂勝ちの丁字乱れを焼いて成功している。
本作は宗次最晩年の最も成熟した年代の作品である。丁字乱れに拳型風の丁字・蛙子風の丁字・角ばる刃・互の目など多彩な刃が交り、足長くよく入り、匂口は柔らかく小沸が付くなどの出来口を見せている。常にも増して華やかな丁字主張の乱れ刃に仕上げており、匂口は明るく冴えている点が特筆される。同工の本領が十分に発揮された同作中の優品であり、地刃共に健全である事も好ましい。
『形状』鎬造、庵棟、反り尋常で健全、中峰。
『鍛』小板目肌よく練れて見事に詰み、地沸細かによくつき、肌潤う。
『刃文』備前伝、腰開きの互の目丁字乱、尖刃・飛び焼き・拳型丁字風交り、葉・足良く入る匂出来小沸付、刃明るく冴える。
『帽子』乱れ込んで先小丸深く返る。
『茎』生ぶ、鑢目切り、丸棟、小尻入山形、目釘穴一。
『附』白鞘
『寸法(Size)』
長さ(Blade length)68.8cm、反り(Sori)1.5cm、
元幅(Width of moto)3.2cm、先幅(Width of saki)2.2cm、
元重(Thickness of moto)0.8cm 先重(Thickness of saki)0.5cm
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