重要刀剣『行秀(古備前)』
刀剣種別 『太刀』Tachi
銘 『行秀』YUKIHIDE (Kobizen)
日本刀 鑑定書『日本美術刀剣保存協会 重要 刀剣』 NBTHK 『Jyuyo Paper』
時代『鎌倉時代初期 承久頃』 Production age 『AD1219〜』
古備前とは平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての備前の刀工及びその作刀を総称する言葉である。同派の一般的な作風は、生ぶの姿は腰反り高く、踏ん張りがあり、先へ行って伏しごころを見せ、小鋒に結び、鍛えは板目肌に地沸がつき、地景が交じり、乱れ映りが立ち、刃文は小乱れ・小丁字・互の目等が交じり、沸づき、金筋のかかるもので、総じて華やかに乱れるものは少なく、直刃調か浅い湾れを基調とするのが通例であり、総じて古香である。
行秀は銘鑑では古備前と一文字派の双方に存在するが、本作は古備前と鑑せられるものである。
この太刀は、鍛えは板目に杢が交じり詰み、地沸が微塵に厚くついて地景が細かによく入り、地斑映りが立ち、刃文は子乱れ主調に小丁字・丁字が交じり、部分的に逆がかり、砂流し・湯走り・金筋等入るなどの出来口をみせている。行秀は古来刃中に逆ごころの刃が交じり、二重刃がかる点などが見どころとされているが、本作にも中央辺りの丁子などに前者の特色が看取される。とりわけ鎬まで達する地斑映りが見事であり、匂口が深く厚く沸づいた刃文と相俟って古雅な雰囲気を十分に伝え、格調高く纏まった同工の優品である。
『形状』鎬造、庵棟、身幅広め、元先の幅差ややつき、重ね頃合い、磨上ながら反り高く、腰反りつき、中鋒。
『鍛』板目肌詰み、杢交じり、地沸微塵に厚くつき、地景細かによく入り、地斑映り立つ。
『刃文』小乱れ主張に小丁字・丁字交じり、部分的に逆がかり、足・葉入り、匂口深く、厚く沸づき、砂流しかかり、上半に湯走り・下半に金筋入る。
『帽子』表は直ぐに小丸、裏は焼詰め風、共に短く返る。
『茎』磨上、先切り、鑢目(旧)浅い勝手下がり・(新)切り、目釘孔四、佩表茎先に大振りの二字銘がある。
『附』白鞘
『寸法(Size)』
長さ(Blade length)67.9cm、反り(Sori)2.1cm、
元幅(Width of moto)2.9cm、先幅(Width of saki)1.9cm、
元重(Thickness of moto)0.6cm 先重(Thickness of saki)0.4cm
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